食物繊維、意識していますか?
2022/09/21
食物繊維。たくさん食べると便秘解消!体に良いよ!とよく聞くから、気にして摂っているのに逆にお腹が張る、効果を感じられない・・・など不調を感じたことはありませんか?
今日はそんな食物繊維について、お話ししようと思います。
実は2種類ある!食物繊維の働きと分類
食物繊維は主に、野菜や果物、海藻類など、植物性食品に多く含まれています。
そもそも食物繊維とは、”人の消化酵素で消化されない食物中の難消化成分の総体”と定義されています。
言い換えると、たんぱく質・脂質・炭水化物などは、消化管のなかで消化酵素によって分解(消化)され、小腸から体の中に吸収されていきますが、食物繊維はこの消化酵素の作用を受けずに小腸を通過して、大腸まで達する成分です。
働きとしては、便の体積を増やす材料になるとともに、大腸内の環境改善をする腸内細菌に利用され、これらの菌を増やすことが明らかとなっています。
(出典:厚生労働省HP e-ヘルスネット)
食物繊維は大きく、
①水に溶けやすい水溶性食物繊維
②水に溶けにくい不溶性食物繊維
の2種類に分類されます。
①水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は、胃から腸を通り排泄される間に、腸内のさまざまな物質を吸着して、体外に運び出す役割を持っています。
例えば、ブドウ糖の吸収速度を遅らせてm血糖値の上昇を抑える(糖尿病予防)、胆汁酸(コレステロールが原料)と結びつき、排泄を促す(動脈硬化予防)、他トリウムと結びついて、排泄を促す(高血圧予防)などです。
オクラや果物に含まれるペクチンや、こんにゃくなどに含まれるマンナン、昆布やわかめに含まれるアルギン酸、もずく、ひじきなどに含まれるフコダインがこれにあたります。
②不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は、水には溶けませんが、水分を吸収して何十倍もかさ増しをします。
例えば、大腸で水分を保持し、腸の内容物を増やして排便を促す(便秘予防)、植物の細胞壁を構成しているため、噛み応えがあるものが多く、満腹感が出やすい(肥満改善・予防)などです。
大豆や野菜、穀物に含まれるセルロースや、キノコ類などに含まれるグルカンなどがこれにあたります。
食物繊維を意識して摂る際は、不溶性食物繊維ばかりを摂っていると、便の量がかさ増しされ、逆に町内にとどまり固まってしまい、おぎゃくに便秘になってしまうことがあります。
水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、そして水分をしっかり摂ることを意識することが大切です。
一日どれくらい食べるのがいいの?
1日の食物繊維の摂取目標量は男性18~64歳は21g以上、女性は18g以上と日本人の食品摂取基準(2020年版)は設定されています。
食物繊維が不足すると、腸内環境の悪化により便秘になりやすくなります。
その結果、痔や大腸癌、肥満、虚血性心疾患などのリスクが高まります。
食物繊維の多い食品は、低カロリーの上、かみごたえもあり、食べた後の満足感も高いため、食物繊維の多い食事を摂ることで、肥満を防ぐことができます。
体から見た食物繊維の必要量は、”1日に1回は規則的に排便がある”ことが一つの目安になります。
現在、多くの日本人は食物繊維が不足していると言われています。
1日のうち一食を玄米ご飯や麦ご飯、全粒小麦粉のパンに切り替えたり、お味噌汁にキノコ類や海藻類をプラスする、など、できることから意識して食物繊維をもう少し意識できるようになると良いでしょう。